5-アミノレブリン酸(5-ALA)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)オミクロン株に関する論文掲載

2022.04.12

5-アミノレブリン酸(5-ALA)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19) オミクロン株に対する感染抑制を確認

この度、国立大学法人長崎大学*1(長崎県長崎市文教町 1-14、学長 河野 茂:以下長崎大学)とネオファーマジャパン株式会社*2(東京都千代田区麹町 6-2-6、代表取締役 河田聡史:以下 NPJ)は、新型コロナウイルス感染症(以下、「COVID-19」)の原因ウイルスである SARS-CoV-2 のオミクロン株を用いて、培養細胞における感染実験を行った結果、5-アミノレブリン酸*3(以下、「5-ALA」)に濃度依存的な感染抑制効果を確認しました。本研究は、2022 年4月8日(日本時間)に国際学術誌「Tropical Medicine and Health」に受理されました。

 

【URL】 https://nudrive.nagasaki-u.ac.jp/public/1ANsAAGA_gAAEVEBma6AZK0bXs8YQKPzeHPr0x9clunP

PW:11111111 ※「1」8つです。

現在、要約のみ掲載しております。本文につきましては、掲載誌ウェブサイトで公開され次第、お知らせ致します。

 

【概要】

2020 年から続くCOVID-19 の各種変異株の感染拡大に対し、効果的な対処法の開発が緊急的に求められています。5-アミノレブリン酸(5-ALA)は、天然で合成されるアミノ酸であり、その高い生物学的利用能から抗がん療法や健康食品など、さまざまな目的で使用されています。私達はこれまでの研究から、5-ALA が COVID-19 の原因ウイルスである SARS-CoV-2 及び、デルタ株を含む 4 種の変異株の感染を、培養細胞において一定の濃度以上で完全に抑制することを示しました*4。この抗ウイルス効果は、明らかな細胞毒性無しに確認されました。そこ

で、COVID-19 に対する抗ウイルス薬の候補として 5-ALA のさらなる研究を進めたところ、細胞を用いたオミクロン株に対する試験において、同様な結果が得られました。

 

【本研究のトピックス】

・5-ALA は、培養細胞において SARS-CoV-2 のオミクロン株の感染を抑制しました。

・5-ALA は、細胞毒性もなく濃度依存的に抗ウイルス効果を示しました。

・5-ALA は、感染抑制に対してウイルスの細胞への侵入や細胞内での複製阻害など複数の作用メカニズムが考えられるため、今後新たに出現する変異株にも有効である可能性が示唆されました。

・5-ALA はミトコンドリア機能を向上することからウイルス感染によって生じるミトコンドリアの断片化などを抑制し、感染細胞の障害を軽減することが考えられます。

 

【論文タイトルと著者】タイトル

5-aminolevulinic acid antiviral efficacy against SARS-CoV-2 Omicron Variant in vitro著者

ミャ ミャッ ヌグェ トン(長崎大学熱帯医学研究所 准教授)佐倉孝哉(長崎大学熱帯医学研究所 助教)

櫻井康晃(長崎大学熱帯医学研究所/感染症共同研究拠点 助教)黒﨑陽平(長崎大学感染症共同研究拠点 准教授)

稲岡健ダニエル(長崎大学熱帯医学研究所/熱帯医学・グローバルヘルス研究科 准教授)塩田倫史(熊本大学発生医学研究所/大学院薬学系研究科 独立准教授)

クリス スミス (長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科 教授)安田二朗(長崎大学熱帯医学研究所/感染症共同研究拠点 教授)

森田公一(長崎大学熱帯医学研究所 教授)

北潔(長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科/熱帯医学研究所 教授)

 

【用語解説】

*1 国立大学法人長崎大学

長崎大学は、1949 年(昭和 24 年)に設置された国立総合大学です。1950-60 年代にキャンパスの移転・統合が行われ、坂本キャンパスに医学系学部・研究所(医学部、歯学部、長崎大学病院、熱帯医学研究所 等)が所在しております。長崎大学はその地理的・歴史的背景から、熱帯医学・感染症、放射線医療科学分野における卓越した実績を有しており、感染症領域において日本では他の追随を許さない豊富な研究の蓄積と研究者陣容を擁し、国内外に有数な感染症の教育研究拠点となっています。 http://www.nagasaki-u.ac.jp/

 

*2 ネオファーマジャパン株式会社

ネオファーマジャパン株式会社は、アラブ首長国連邦(UAE)に本拠地を持つ Neopharma LLC とne o ALA株式会社(旧社名:コスモALA株式会社)との合弁によって設立されました。ネオファーマグループは、UAE(アラブ首長国連邦)に本社を置く国際的な製薬企業であり、中東をはじめとする新興国を中心に医薬品製造・販売事業を展開しています。ネオファーマジャパンは、Neopharma LLC の海外戦略における医薬製造という分野において重要な役割を担っています。加えて、ネオファーマジャパンは、5-アミノレブリン酸(5-ALA)を用いて様々な用途開発の研究開発を進めることにより、グループ全体に新たな付加価値を創出しています。 https://www.neopharmajp.co.jp/

 

*3 5-アミノレブリン酸(5-ALA)

ヒトや動物・植物は細胞内のミトコンドリアという細胞小器官でエネルギーを作り出すことで生命活動を維持しています。このミトコンドリアが機能するためには、5-アミノレブリン酸(5-ALA)が非常に重要な役割を果たしています。5-ALA は、最終的にミトコンドリアの中で「ヘム」という物質に変化します。ヘムは「シトクロム」というエネルギーを作り出すために必要不可欠なタンパク質の成分となります。また、すでに 10 年以上前から健康食品、化粧 品、ペットサプリメント、飼料、肥料に活用されている非常に安全性の高いアミノ酸です。5-ALA はがん分野では脳腫瘍や膀胱がんの可視化を目的とした診断薬としても承認されております。また、5-ALA は、ミトコンドリアの機能を向上させることが知られており、埼玉医大を中心としたミトコンドリア病の第 3 相医師主導治験が進められています。http://5ala-journal.com/

 

*4 2022 年 1 月 11 日付リリース

5-アミノレブリン酸(5-ALA)による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)原因ウイルス各種変異株に対する感染抑制を確認 https://www.neopharmajp.co.jp/library/592faa4a16088b6a0b777d96/61dcdfc5c4215ad d1045b2cb.pdf

 

2022年4月12日ニュース

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